ついで【序】 名詞 / ついでに【序に】 副詞

A→B

意味

ついで 名詞

(1)順序・順番・次第

(2)機会・場合

ついでに 副詞

(1)この機会に・その折に

ポイント

動詞「次ぐ(つぐ)」+接続助詞「て」の「次ぎて」が音便化して、「ついで」になったと考えられています。

「出来事A」に次ぐかたちで「出来事B」がある、というような「流れ」を意味する場合は、(1)のように「順序・順番」と訳します。

「出来事A」があって、次いで何かが発生する「タイミングとしての点的なポイント」を意味する場合は、(2)のように「機会・場合」と訳します。

現代語だと、「オマケ」みたいな意味だよね。

シャンプー買いに行ったついでにリンス買ってきちゃった、みたいな。

現代語では、「機会」の意味で用いていますね。

「出来事Aが起きたことをいい機会として」というような意味合いです。

例文

四季はなほ定まれるついであり。(徒然草)

(訳)四季にはやはり決まっている順番【順序】がある。

客人の饗応なども、ついでをかしきやうにとりなしたるも、まことによけれども、ただ、その事となくてとり出でたる、いとよし。(徒然草)

(訳)客へのもてなしなども、ちょうどよい機会というように【その機会が時宜にあって趣深いように】とりはからっているのも、本当によいけれども、ただ、特別な事というわけではなく提供するの【もてなし】が、たいそうよい。

人に物を取らせたるも、ついでなくて、「これを奉らん」と言ひたる、まことの志なり。(徒然草)

(訳)人に物を与えているのも、これといった機会【特別な場合】でなくて、「これを差し上げよう」と言っているのが、本当の思いやりである。

この世にののしり給ふ光源氏、かかるついでに見奉り給はむや。(源氏物語)

(訳)世の中で評判になっていらっしゃる光源氏を、このような機会に拝見なさってはどうか。

有房、ついでに物習ひはべらん。(徒然草)

(訳)(私)有房も、この機会にものを習いましょう【学問いたしましょう】。

後半の2つの例文は、「ついでに」のかたちで連用修飾語になっていますので、「ついでに」で一語の副詞と考えるのが一般的です。

ただ、もともと「名詞」+「助詞」なので、「ついで/に」と分けても問題はないですね。