心が行きたがっている・・・
意味
(1)心ひかれる
(2)見たい・聞きたい・知りたい (*文脈に応じて「~たい」)
ポイント
ある対象に対して、心がそこに「行かし(行きたい)」ということを示す形容詞です。
あくまでも心の問題であり、実際に行くわけではありませんので、「見たい」「聞きたい」「知りたい」などと、文脈にあわせて訳すのが適切です。
特定の話題にしばられない場合は、「心ひかれる」と訳しましょう。
現代語の「おくゆかしい」はここからきているのかな。
そうです。
「おくゆかしい」は、「慎み深く、魅力的である」といった意味ですね。「優雅だ・上品だ」という意味でもあります。
これは「奥行かし」であって、対象のかくされた「奥」を「知りたい」と思う感情を示すものです。
つまり、現代語の「おくゆかしい態度」というのは、「慎み深くて、その人のことをもっと知りたいと思ってしまうような態度」ということなのですね。
例文
忍びて寄する車どものゆかしきを (徒然草)
(訳)こっそりやって来る牛車の主が知りたくて、
ねびゆかむさまゆかしき人かな。(源氏物語)
(訳)成長していく様子を見たい人だなあ。
山路来て何やらゆかしすみれ草 (野ざらし紀行)
(訳)山路にやって来て何やら心ひかれるすみれ草を見つけた