意味
① 悪い・とても悪い
② その他「悪い・とても悪い」に相当する訳
みすぼらしい・いやしい
下手だ・拙い
不快だ・不愉快だ
臭い・汚い・醜い
醜い・間違っている など
ポイント

古文の世界には、善悪の基準として、「よし>よろし>わろし>あし」という4つの段階がありました。
最もよいのが「よし」で、最も悪いのが「あし」です。
そのため、「あし」と評されているものがあったら、それは「きわめて悪い」ものであると判断しましょう。

現代語で言うと、「マジ最悪」みたいな感じかな。

そうです。
「臭い」「ひどい」「汚い」など、多様な訳になります。
記述問題であれば、「〇〇が悪い」というように、何が悪いのかがわかるように書いていれば問題ありません、選択肢問題の場合、「とても悪い」に該当する様々なニュアンスで訳されますので注意が必要です。
たとえば、記述なら「気分がとても悪い」と書けばいいところを、選択肢では「ひどく不愉快だ」などと訳されるようなことも多いですね。
例文
今日、風雲のけしきはなはだあし。(土佐日記)
(訳)今日は、風雲の様子がたいそう悪い。

記述なら「(天候が)悪い」でOKですが、選択肢問題なら、「荒れている」などと訳す可能性があります。
精進物のいとあしきをうち食ひ、(枕草子)
(訳)精進物のとても味が悪いのを食べ、

記述問題なら「味が悪い」としておけばいいのですが、選択肢問題なら、「まずい」などと訳す可能性があります。
げす女のなりあしきが子を負ひたる。 (枕草子)
(訳)身分の低い女で身なりがみすぼらしいのが子供を背負っている。

これも「身なりが悪い」で通じますが、「みすぼらしい」などと訳す可能性がありますね。
これらのように、「あし」は、文脈によってあらゆる悪口で使用されますので、柔軟に考えましょう。