かたよっていてくねくねしている
意味
(1)偏屈だ・頑固だ
(2)教養がない・無風流だ
(3)見苦しい・粗野だ
ポイント
「片」は「かたよっている」ということであり、「くな」は「くねっている(曲がっている)」ということです。そのことから、「偏屈だ」という意味になります。
「知識が偏っており、それを広げようとしない」ということから「無教養だ」と訳したり、「感性が偏っており、ものの情趣を理解しようとしない」ということから「無風流だ」などと訳したりします。「教養がなく無風流だ」などと、いっしょに訳出することもあります。
人間に対して使用すると、主に(1)(2)の意味になりますが、「建物」や「風景」などに用いると(3)の意味が多くなります。
「片(かた)」「くな(くねる)」が語源で、その意味が「偏屈」って、あまりにもジャストフィットの訳し方だね。
偏っていて、屈折しているわけですからね。
「偏屈」はぴったりの熟語ですね。
例文
いとど人わろう、かたくなになり果つるも、前の世ゆかしうなむ。(源氏物語)
(訳)いっそう体裁が悪く【外聞が悪く】、偏屈に【頑固に】なってしまっても、前世の因縁が知りたいもので。
ことにかたくななる人ぞ、「この枝かの枝散りにけり。今は見どころなし」などは言ふめる。(徒然草)
(訳)とくに教養がなく無風流な人が、「この枝も、あの枝も散ってしまった。今はもう見る価値がない」などと言うようだ。
何事も辺土はいやしく、かたくななれども、天王寺の舞楽のみ都に恥ぢず。(徒然草)
(訳)何につけても田舎は品が悪く、粗野であるけれども、天王寺の舞楽だけは都に見劣りしない。
自らもいみじと思へる気色、かたくななり。(徒然草)
(訳)(自分で)自分を並々でないと思っている様子は、見苦しいものだ。