わびし【侘びし】 形容詞(シク活用)

意味

① つらいやりきれない

② ものさびしいつまらない

➂ みすぼらしい・貧しい

ポイント

ぶ」という動詞が形容詞化したものです。

「わぶ」は「思うとおりにいかなくてがっかりする」というニュアンスで、形容詞「わびし」もほぼそのままの意味です。

茶の湯の「わびさび」の「わび」に通じるのかな。

そうです。

「侘び」は、「ほしいなあ」と思うようなものが「ない」ことを意味します。「あってほしいものがないなあ、思うままにはいかないなあ」という感じですね。

「寂び」は、「失われたもの」に対して、その空虚なさまを意味します。「なくなってしまったんだなあ、さびしいなあ」という感じです。

そういう点で、「侘び」は物質的なもので、「寂び」は時間的なものと言えます。

じゃあ、形容詞の「わびし」は、「思うようにいかなくってしんどいなあ」っていう感じなのかな。

そうです。

心情に対して使用しているのであれば「つらい」「やりきれない」となります。

物事に対して使用しているのであれば「豪華さ」とか「豊かさ」とかが「ない」ということなので、「みすぼらしい」「貧しい」という意味になります。

例文

「御物忌とて取り入れず」と言ひて持て帰りたる、いとわびしくすさまじ。

「物忌中だから取り入れない」と言って(手紙を)持って帰っていることは、たいそうやりきれなく、興ざめだ。

山里は秋こそことにわびしけれ (古今和歌集)

(訳)山里はとりわけ秋がものさびしい

身のわびしければ、盗みをもし、(今昔物語)

(訳)我が身が貧しいので、盗みなどもして、