しのぶ(忍ぶ/偲ぶ) 動詞(バ行上二段活用/四段活用)
上代では「しのぶ(上二段活用)」と「しのふ(四段活用)」という別の語であり、活用が異なりました。濁音/清音の違いもありました。意味も別々の語であり、「忍ぶ」は「隠す・こらえる」ということで、「偲ぶ」は「懐かしむ・思い慕う」ということです。ただ、語形も意味も似ていることから、中古では混同が起きて、本来「上二段」である「忍ぶ」が「四段」でも用いられるようになり、逆に本来「四段」である「偲ぶ」が「上二段」でも用いられるようになっていきました。そのため、活用で区別することは困難です。漢字で書かれていればその時点で判別可能ですが、ひらがなで書かれている場合には、がんばって文脈判断しましょう。